最強の自作塗装ブースを目指して
※結構長いので、時間に余裕があるときに見て下さい。


本来ならわざわざ紹介するほどのことではないのかもしれません。ググれば大量に出てくるし。
そもそも、自作塗装ブースを作成する理由の多くは、「市販品は高いから自分で作って安く済ませる」というものでしょう。しかし、実際に作成して、「思ったよりお金かかった」「市販品を買ったほうが安かった」という意見も少なくないのです。

一番多い物は、ダンボールに小型換気扇を取り付け、排気ダクトをつけて窓の外に排気する、というスタイルのものです。これなら3000〜4000円程度で出来ます。しかし、ここで厄介な問題が起きます。気流の逆流「吹き返し」です。

これの一番の原因は、換気扇の排気量に対してダクトが細かったり気流がうまく流れなかったりすることが多い為です。対策としては、ハニカムフィルターをつける(これで大分変わります)、ファンの大きさと同径のダクトをつける(20cm以上の換気扇を使用した場合、そんな太さのダクトはないでしょう)、ブースと換気扇の面をツライチ、またはテーパー形状にする(ブース内に換気扇がはみ出していると乱気流の原因になります)、等があります。ここまでクリアしているならこれでもいいとは思います。
失敗して作り直したり、見た目に凝ってみたりして、結局費用がかさんでしまうのです。

しかし、他サイトで紹介されている自作塗装ブースには、最初のような作りかたをして「安くで塗装ブースが出来ました」といっているものも結構あって、かえって失敗例を増やしてしまいそうです。
また、作業スペースを広く取れる人なら問題ないのですが、当方は今回、120cmのPCデスク上に塗装ブースを設置することになった為、省スペースで性能のよいものを作らなければいけなくなりました。

それと、これが一番重要なのですが、いかに屋外へ排出する空気をクリーンなものにするかです。中には自分に毒だから塗装ブースは使用するが、外に出て行くのまでは知らんと、排気に関して殆ど対策を講じずに排気している人も多いように見受けられます。フィルターなし、というのもありました。近所迷惑って言葉を知らないんじゃないかって思います。当方も小型換気扇で作った塗装ブースがあり、換気扇フィルターを2段重ねで設置してましたが、2枚目までしっかり汚れました。1枚じゃ話にならんよ・・・

ということで、今回のテーマは、「最強の塗装ブース」なのです。目指すのは、確かな吸引力、吹き返しがなく、音が静かで排気がクリーン。うーん、実現出来れば大変素晴らしいのですが。但し、極力費用は抑えます。業務用のものを使用できれば理想的なんでしょうが、省スペースでなくなるし、そもそも騒音で新たな近所迷惑の種になりそうです。
また、「だったら市販品買えばいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、以下の2つの欠点の為それが出来ないのです。
缶スプレー使用の事は考慮されていないように思う(缶スプレーの噴出量、塗料ミスト量に対して、市販の塗装ブースでは性能が追いついていない。排気能力が弱すぎる。)し、設置スペースが限られます(本体寸法や排気ダクトの位置など。)。
エアテックスのブラックホール ツインファンが性能、見た目的に理想的かなと思いましたが、排気ダクトが右向きで当方の部屋に合わず、また高額であるため却下。

つまり、今回塗装ブースを自作する最大の理由は、
自分の目的、作業環境に合ったものが必要である
ということなのです。

これから塗装ブースを用意しようと思っているが、市販品は高いので自作しようという方、悪いことは言いません。
市販品を買ってください。
その方が後悔しないと思います。但し、缶スプレーは使わない、設置場所を選ばない、が前提です。
また、意外と手間がかかるので、工作好きじゃないと面倒だと思います。時間に対する費用対効果の面でもどうかと思いますし。

模型メーカーの製品がどうしても高いということなら、こういうのもあります。
プロクソン スプレーブース
通販なら6000〜7000円程で購入できます。


では、ここから順を追って説明していきます。 まず、構造をどうするか決めます。大きく分けて2種類あり、ブースに排気ユニットをつけてダクトへ排気する「押し出し型」と、ダクトの先に排気ユニットをつける「吸い込み型」があります。市販の塗装ブースはすべて「押し出し型」です。
まず、吸い込み型は不可です。吹き返しの心配がほぼ無いのはうれしいですが、吸い込み口から排気ユニットが遠い為大き目の換気扇を使用しないと吸引力が弱くなります。フィルターを複数重ねるとさらに弱くなります。また、窓用換気扇を使用するとわりと見た目も良くなりますが、換気扇までの経路にしかフィルターを付けられず排気がクリーンとは言い難いし、プロペラファンの構造上、外からの風の影響を受けやすく吸引力に差が出たりします。外にカバーをつければある程度防げますが、窓が閉めれなくなります。作業の度に換気扇を窓に設置しなくてはいけなくなります。
吸い込み型で理想なのは、屋外(庭、ベランダ等)に換気扇を置いて、その排気をバケツの水の中に向けることです。これならフィルターを何重にもしなくていいし、換気扇は外なので部屋の中は静かです。但し、これは出来る人が限られます。そもそも省スペースではありません。いちいち換気扇を外に持って出ないといけませんし、外に置きっぱなしではすぐ汚れますし。バケツを用意するのも面倒です。

ということで、主流ともいえる「押し出し型」に決まりました。ここからは、実際に作成しながら説明していきたいと思います。

と、その前に、塗装ブースについて、参考になるサイトを載せておきます。
http://griffonworks.net/doll/custom/paint_booth/
塗装ブース、ファンについての特性とか詳しく紹介されています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ia3m-hsm/boos.htm
試行錯誤して作成されてます。失敗例がわかりやすいです。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Darts/1284/log/models030425.html
吸い込み型で、構造についても詳しく紹介されています。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1037285.html
塗装ブースの「排気」について書き込まれています。
http://www2.ocn.ne.jp/~omlabo/paint/paint2/paint2-2.htm
市販ブースの性能比較されています。購入の参考になります。







今まで使っていたのがこれです。ダンボールの代わりに衣装ケースを使用しました。これも代表的な方法です。当時はこれが一番いいんだと思ってました。
しかし、使用すると、とんでもなく強烈な吹き返しが起こるではありませんか。画像では外してますがハニカムフィルターも付けていました。原因もよく聞く話で、換気扇が飛び出している為に乱気流が発生、また排気ダクトが細かった為です。15cm換気扇なら100mmのダクトで十分だと思ってました。排気抵抗を作らないように換気扇とダクトを取り付けましたが、それ以前の問題でした。左右にビニールテープを貼ってますが、吹き返したミストを少しでも部屋に回るのを防ぐ為です。効果は微々たるものでしたが。
また、これを作った当時はこたつで作業していた為スペースに余裕がありましたが、常時机に置きっぱなしの状況では非常に邪魔です。てなことで分解してしまいます。短い間でしたがありがとう。



ここが設置スペースになります。大体55×42×32ってとこです。スペースを生かすことだけが目的なら、窓用換気扇を設置して吸い込み型にすれば非常に広々と作業出来そうですが、上記で話した排気の問題と、換気扇が付けれるのは左側の為、窓の美観を損なうしダクトが長くなってしまうので却下です。
関係ありませんが、くらにゃど仕様の渚です。ようやく5人揃いますが、後発の2人は爪塚氏が原型じゃないんですよね。どうせなら揃えて欲しかった・・・



次は、換気扇選びです。

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ほーむ